きむらが10年前に書いていた,サラ金体験記(取り立て体験記)を復活させてみた.

【001】《 会社内部 》

 私は,この業界しか経験してないので,他の会社と比較はできないけれど お客さんへの対応やお客さんとの関係がおかしいと思います. 社員がお客さんを怒ることやお客さんの関係者に会社名を開示しないことは,普通,ありえないはずです. これから,私が会社で体験した不思議な規則や恐ろしい出来事を書いていきます. ここでは,自分の働いていた会社を「ムトミシ」と呼ぶことにします.

 まず,取り立て行為の始まる日について説明する. 取り立て行為は基本的に支払日を過ぎたお客さんに対して行われる. ムトミシでは1日支払日を過ぎたことを「発生」と呼んでいた. 支払日の設定方法は「給料日から3日以内」と決まっていて, 「25日給料日」のお客さんは「28日までの支払い」となり, 「29日」に支払われていなければ「発生」となる.

 そこからが 「管理」と呼ばれる,所謂「取り立て行為」がスタートする.

 「発生」の時点で回収できなければ,どんどん厳しい状態となる. 自分が働いていた支店は客層が悪かったため,「発生(1日遅れ)」の回収率が悪かった.

 私が働いていた支店の周辺にある中学校は荒れており, 不良と呼ばれるような人達が数多く住む地域でした. このような地域は,借りてくれる人は多いけれど,返してくれない人も多いという特色があるようです.

 たとえば,入社した時に次のような話を聞きました. ムトミシは全国各地に500以上の支店がありましたが, その中でも私が赴任した支店は「特別管理支店」とされていたのです. なぜなら,私の支店は,私が入社する6か月前にムトミシ史上初の 「3か月連続の目標未達成」をやらかしてしまった支店だったのです. 今までに「2か月連続の目標未達成」さえなかったにもかかわらず, 「3か月連続の目標未達成」をしたらしいのです. 3ヶ月連続の目標未達成の結果,当時の店長(女)は「失踪」したということです. 後々書きますが,この会社は,社員が会社を辞めるときには失踪することが多いという異常な会社なのです.

 話を戻して「発生」についての話をすると, 私の支店は「発生の回収率」が普通の支店と比べてとてつもなく悪い. それをどう回収するかが,自分に任された最初の仕事でした. 「発生で回収できない」ということは,給料日から4日後にはすでにお金がないということです. サラリーマンは給料日が月一回というのが常識ですから,そこから如何に回収するかが問題となるのでした.

【002】《 取り立て(基本) 》

「管理(取り立て)」についてです.

 1週間以内の遅延はまだ回収しやすい. 女性でも回収することができて,男性より女性の方が成果をだすことも多い.

 さて,管理の核心にせまっていきます. 管理はおかしな決まりだらけで,その一つに, 「債務者以外にはムトミシ(私のいた会社の仮名)の社名を開示してはいけない」という決まりがある.

 債務者の会社や自宅に電話をかけますが 「ムトミシのきむらと申します」ということはあり得ません. 名前だけしか言いません.大事なことは「債務者の知り合い」だと相手に思わせることです.

 たとえば,自宅に「電話セールス」の電話がかかってくることって結構ありますよね. 親御さんはそのような電話セールスを息子(娘)の友達ではないと見抜くポイントは 「営業の喋りっぽい」ということで判断していると思います. もちろん,「きむらという友達はいない」などから判断することもあります. ここで大事なことは,相手に「疑われること」を可能な限りしないということです. しかし,自分の後輩(男性)はいくら注意しても営業トークをしてしまうので困りました. 女性の方が,その辺は上手です. きむらの弟子(女性)は3か月ぐらいでかなり上手に演技をできるようになっていました. 男性の場合は,「なんぱ」が得意という人は才能があるようです.

 したがって,ムトミシの上司はかなりエロいのでした.

【003】《 取り立て(基本) 》

 管理の決まりとして,「社名開示禁止」と言いましたが, 1週間遅延した人の会社に毎日3回「きむらです」と電話していたらどうでしょう? 電話の相手は「いったいあなたは誰なの?」と思うことでしょう.

そのようなとき「知り合いです」と言うのが大事です. 決して「友達」と言ってはいけません. これはクレームの原因になるためです.

会社の人は「知り合いって言ってもいつの知り合いなの?」と尋ねてきます.  このような言葉を言われたら,確実に「取り立て」だとバレていることでしょう.

さらに,
「あなた,どこの会社の人?」
「言いなさい」
「言わないなら,伝言しないし,今度から取り次がないよ」
「連絡先を教えなさい」

そのような場合は,「もしもし電話」というのがあってそこの電話番号を教えます. 本人がいない場合はたいてい「もしもし電話」の電話番号をおしえるのですけどね. その会社の人が「こちら」の正体を知りたい場合,本人の承諾を得ず「もしもし電話」にかけてきます. これで「社名開示」を間接的に防ぎます.

でも,同じ会社に何人も「債務者」がいる場合,ばれてしまいます. たとえば,恵庭や三沢などの「自衛隊関係者が8割」のようなところは大変です. 他にも,海上自衛隊などは「2週間演習」で戻ってこないなど,回収不能に陥ることがあるそうです.
本当に大変だなぁ.

【003_2】《 質問に対する回答 》

> ここの意味がわかりません。
> なんで、これで間接的に防げたのですか?
> 俺が馬鹿だからわかんないのか?

> そしてここにかけるとどんな対応をされるのですか?

お! 反応が返ってきて嬉しいな〜 お答えしましょう!

「もしもし電話」というものは名称は違ってもいろんなところに存在していると思います.
話をわかりやすくするために,未収の浅いお客さんに対する「取り立て(管理)の流れ」を書きましょう. 消費者金融の「管理業務」はまず名前を偽ります. 男性は「林くん」,女性は「南さん」という設定から始まります. なぜこのようなことをするかと言うと,たくさん理由が挙げられますが2つ程書きます.

1.「管理業務」は恨まれやすい仕事です. そこで,「珍しい名前」の人が取り立て行為をして恨まれると見つけだされやすいですよね. 店長はほとんど「104登録(NTT電話帳登録)」していません.
2.「林」「南」宛に電話がくると「管理業務」だと判断することが容易にできる.

請求行為は,法律で朝8時から夜9時までと決められている. ムトミシでは10分余裕を持って,請求電話を掛けている. 10分といっても正確に行っており,「時報」を聞いて「08:10:00」から管理を始める.

 そこで,今回の質問に対して回答します. 私のような管理担当者は,たいてい「会社」や「自宅」に電話をするのですが, 【本人不在】の場合,「伝言」をお願いする. その時に「もしもし電話」を教えるのです. 勿論,自分が「知り合いの林くん」であることを演じて行います.

 「もしもし電話」に電話が掛かってきた場合には,「もしもし」と電話を受ける. そして,相手のフルネームを聞き,遅延者リストから名前を探します. 「もしもし電話」に掛かってくるということは,管理に関連した電話なのです. 遅延者リストに名前が載っていれば, そこで初めて「ムトミシのきむらですが,○○さん昨日がお支払い日ですね」と開示します.

 遅延者リストに載っていない場合は,ちょっと問題です. 本人でない人が電話を掛けてきた場合には,誤って「社名開示」をしてしまう可能性があるからです. この場合,たいてい「伝言を受けた善意ある人」が「○○さんは今日は会社にこないようです」など言ってくれることが多いです. しかし,「あなたどこのサラ金,ア○ム?」など聞いてくることがある. その場合にも「いや違いますムトミシです」などと応えてはいけません. このような聞き方をされる場合は絶対に「社名開示」してはいけないのです.

 社名開示の技術というのもありますので,その辺は今後書くことにしよう.

【004】《 会社内部 》

【名刺】
昨日,大学院生の飲み会があった. 新しく会う人が多かったので自己紹介していると,名刺をくれるんですよね. この名刺に衝撃を受けました.
ムトミシの平社員は名刺を持てませんでした. 金融系は当たり前かもしれません. 債務者に名刺を渡しても捨てられることが多いようで, 店長の名刺がよく支店の前に落ちていました. お金を借りることを秘密にしたいのに,証拠となるようなものを持ち歩くことはしたくないでしょう.

【005】《 会社内部 》

ムトミシは自画自賛の会社でした. 専務の話はいつも「ムトミシほど社員のことを考えている会社はありません」と話していた.

「あなた達はいい給料を貰えるでしょ」と研修のたびに聞かされていた.
専務の話を何回も聞かされてきた「店長」は「いい会社でしょ」ときむらに説得します.

「本気で言っているのですか?」

どこまで本気で言っているのかわかりませんが,どうも本気で言っているようです. 物事を局所的にしか見ないので,起きる問題のように思います. ムトミシが教えてくれた「管理」を参考にすると,おかしいことがわかります.

人を判断する場合,みなさんはどのように判断するのでしょうか?

「言葉」を信用するという人もいるようですが, 私は「発言」と「行動」の一致度で人を判断するようになりました. この考え方はムトミシの取り立てが教えてくれました.
たとえば,「管理業務」で1週間遅延したお客さん,AさんとBさんの二人がいたとします. その二人は「明日までに入金するから待ってくれないか?」と同じことを言いました. もし,「言葉」を信じる人はこの言葉に対してどう対処するのでしょうか.

---【行動】----
Aさんは,現在まで一度も遅延したことがありません.
Bさんは,過去毎月「1週間」入金が遅れていました.
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貴方ならどう判断して,どう対処しますか? 自分の本音は,Aさんは「一日待つ」けど,Bさんには「待てない」ということです. 取り立て屋の鉄則は両者に対して「待てない」と言いますが.
この考えは「取り立て」だけの話ではなく,会社を判断することにも応用できる.

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創業30周年
社員数 約3000人
私の社員番号は21000番台
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この事実をみて何を思いますか? 「発言」と「行動」を照合してみます. 「いい会社だと自画自賛している会社に勤めた人」が 「21,000人も入社して,18,000人も辞めるのか?」
30年と言ったら、22歳で入社しても52歳です. 「何か問題あるんじゃない?」と思います. なんか怪しい会社と簡単に判断できます. 「管理業務」をしている人は,人を見抜く能力はあるはずなのですが,
会社のことを見抜けない人もいるのかもしれません.

【006】《ムトミシからの得たもの》

「紹介」「口コミ」が営業で一番大事ですね. CMなんて比較にならない.

たとえば
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「Aさん」と「Bさん」と「貴方」がいると仮定します.
【設定1】 「Aさん」から直接   「貴方はすごい責任感があるね」と言われる
【設定2】 「Bさん」から間接的に,「Aさんが貴方のことをすごい責任感があると言っていたよ」と言われる. ---------------
【設定2】が効果を発揮すると思いませんか.

ムトミシは「営業」だけでなく「会社内部」でも効果的にこれを使っています. 1.「専務」は「会長」のことをいつも誉めます. 2.「会社」を誉める人が「昇進」します. 「言葉」だけを信用する人は,この効果的な手法にマインドコントロールされるようです. この手法は,「アム○○○」なんかでも行なわれているような気がします. 「悪口」でなく「適切な批判」をする人は排除されるようです.

【007】《会社内部》

前回からのつづき 「悪口」でなく「適切な批判」をする人まで排除されるという話です.
きむらは「適切は批判」をしたと思うことがある.
本題の前に会社規則の話から始めることにしよう. ムトミシには以下のような規則がある.
--------【ムトミシ規則】-----------
1.「退職者」と会うことを禁止する
退職者から「年賀状」が届けられた場合,上司に報告しなければいけない.
2.「同期」と会うことを禁止する
-----------------------------------

あまり聞いたことのない規則ですよね

 社長の立場から考えると理解できるかな. ムトミシは退職者の多い会社なので退職者と会ったり,同期で集まったりすると, 「会社批判」になり「組合づくり」や「集団ボイコット」の原因となるためです. 「ほうれんそう」が厳しいのも,このような事態にならないようにするためかもしれません.

 でも,上記の規則があっても,同期にはたまに会いましたけどね. 薄野だと見つかる可能性があるから,離れたところで飲み会をしていました.
 さて,ここからが本題で「適切な批判」をしたと思う話です. ある日. 会社から下記の「誓約書」を社員全員に書いてもらうと命令された.

誓約書の内容
1.「退職社員」とは会わない.
2.「退職社員」と関わりをもった場合は,即上司に報告する.
3.もし上記のことを怠った場合には,刑事処罰を受けることを認める.


「そんな誓約書かかないよ」と支店内の仲間で話していた.

しか〜し,ムトミシは理不尽なこともまかり通るのです.

 私はその日,集金があり,支店から出ることになっていたため, 集金に行く前に後輩達に契約書のことを尋ねると,「誓約書かかないですよ」と言った. しかし,集金から戻ると,全員誓約書を書いていた.

 店長に「きむらくんも書いて」と言われましたが,「書きません」と答えた. そこで拒み続けると,ブロック長と電話で話すことになった. さらに,拒み続けると,北海道No.2の上司と緊急面接となってしまった. No.2と会ったから意見が変わるわけでもなく,誓約書免除となりました.

 あとから,聞いた話ですが,北海道で誓約書を書かなかったのは自分だけらしい. でも,これが適切な行動と思うのですよね. 「社員のことを考えている」と言いつつ「不安だから社員を拘束する会社」のようです. 社長の立場で考えればわかるけどね.
でもなぁ

【008】《取り立て(基本・実戦)》

 誤解していたら困るので,書いておきます. 「社名開示」とは,本人以外の人にムトミシの名前を言うことです. 勿論,本人は契約しているわけですから,社名を言ってもかまいません. でも,本人以外のどんなに親しい人でもムトミシ社員から社名を教えるわけにはいきません.

「社名開示」は行なわない. これがムトミシの規則です.

 でも,その規則を反して「社名開示」を行なうことがあります. 「社名開示」を行なうということはクレームになる危険を冒すことになるのです. それでは,なぜ危険を冒すのかといえば「回収」できるからです. 「下手な取り立て屋」は本当にクレームになります. 少し前に世間を騒がせた「おまえの腎臓も肝臓も売っちまえ」でおなじみの「○栄」ですが. これは下手だと思います.私が思うに「クレーム」を起こさないのがプロなのです.


「クレーム」を起こさず「回収」できればいいのです.

  必ずしも,取り立ては怖い人である必要はありません. 私は一般的な「取り立て屋」のイメージとは,異なると思います. 友達には「お前が本当に回収できるの?」とよく言われていました. でも,人の得意分野で攻めればいいんです. 自分は「本人」より「尊属」と交渉する方が回収できました. これから話す話は1週間の遅延ではなく,1ヶ月程度の遅延です. 従って「2か月」の間支払いをしていない債務者です. 「尊属」とは債務者の親のことです. 「尊属」から回収することを「尊属落とし」と呼ばれていました. 「尊属」は支払い義務は一切ないので,「クレーム」になる危険性がとても高いです. それを如何に「支払って頂くか」を考えてなくてはいけません.

 自分の攻め方は親とある程度話しながら,その親の人柄を判断していきます. たいてい,親が子供の情報を得たいと思っている親は落とせます. 一方,「子供の話はもうしたくない」という親は落とすことが難しかったりします.

 規則を守っていればクレームになりませんし,「社名」を言わなければクレームになりません. 他にも,嘘を言わないことが大事だと思います.

 たとえば, 「実は○○くんにお金貸しるんですよ」と話しす. それで,母親が「○○はいくら借りてるの?」と質問してくればいい調子です 「結構貸しているんだけどさ,今どうしても2万円必要なんですよね」などと社名を言わず話を進めます. 「あんたサラ金かい?」といわれる時もあります. 【社名開示】しなければいいので. 「そうですよ」ぐらいは答えます. 親の反応次第で交渉は変わりますが,「私が支払うよ」と言わせてから, 規則違反の【社名開示】をすればいいのです.

 「社名開示」をして回収できないのは「クレーム」の危険性しかないので意味ありません. 後輩(男性)がそういう人だったので本当に困りました.

【009】《 取り立て(実戦)》

回収のプロってのがいるんです. 私も交渉は下手ではないと思っていましたが,そのプロを見たときには驚きました. 私が「プロ」と呼ぶ人は「一人」です.

 その人は自分がずっ〜と回収できない債権を「貸してみろ」と言って持っていきます. そして,30分ぐらいすると「きむら,今日の14時までに銀行から振り込む【やく※】ついたぞ」と言うのです. 【やく】は振り込む約束を意味する. 行方不明になった人でも探して,振り込ませます.

 行方不明の探し方のセオリーというものもあります. 「郵便局」「水道局」「電話会社」などへ問い合わせです. 本人になりすましたり,親族になりすますことも.

 「郵便局」の場合 「郵便局」だけが現在の住所を知っていることもあるのです. 「郵便局」は本人が引っ越した場合,1年間は転送してくれるのです. でもその転送先は送り主には決して教えてくれません. そのような対応をするようになったのも「取り立て屋」が原因のような気がします. 「教えてくれない」ところから如何に情報を得るかが,問題となります. これを調査といいますが,「優秀な取り立て屋」の判断基準です. 私は調査能力がありませんでした.
 調査としては,「水道局」や「電話会社」を利用します. 「水道局」や「電話会社」に対しても,支払いが怠っているので,「本人」になりすまし調査する. 調査方法は様々です.

【010】《会社内部》

先日,雑談していたらムトミシの話になった. また書きたくなるようなこと思い出しちゃった

「取り立て」とは全然関係ないことです.

 ムトミシは取り立て行為では普通だと思うのですが,社内は異常なことばかりです. 前にも書きましたが,退職率の高さが異常です. ある女性がきむらのいた支店に入社して1日でやめました. その女性は「宗教みたい」と言って去って行きました. この言葉,あたっていて,ムトミシは宗教なのです.
まず,会社以外の人に話して驚かれることは朝行われる儀式です. 朝出社して一番最初にすることは,挨拶ですが,「店長」に挨拶する前に「会長」に挨拶します. 「会長」はどの支店にもいないので,「会長の写真」に対して, 「会長おはようございます.今日も一日よろしくお願いします」と挨拶します. その後,ようやく「店長挨拶よろしいでしょうか?」と尋ね, 改めて,「店長おはようございます. 今日も一日よろしくお願いします」と挨拶するのです. 声が小さいとやり直しをさせられるので,まるで体育会です.

 ちなみに,会長の写真に挨拶するからと言って,死んでいませんよ.

 勿論,帰るときも「会長の写真」に対して挨拶する. 「会長今日も一日ありがとうございました.お先に失礼させて頂きます」ってね. きむらは体育会出身なのでこういうところは大きな声であっさりこなしました.
 「宗教」と思わせるところは「感謝の気持ち」をもろだしと言うことです. 退社する挨拶にもあるように「ありがとう」の気持ちの押しつけます. といいつつ,私は「感謝の気持ち」は大事だと思っていますよ.

 ムトミシは「感謝の気持ち」を心に留めておいてはいけないのです. たとえば,「初任給」や「ボーナス」を貰った時には【お礼の手紙】を出します. 【お礼の手紙】は義務なのです. それも,3通(「会長」「専務」「支社長」)が義務なのです. ポイントを稼ぎたい人はさらに「副支社長」や「ブロック長」にもだしているようです. 私は短い手紙で.必要最低限の3通をだすことにしました.

 お礼の手紙事件は初めての「ボーナス」の時に起こりました. 店長が「みんなで一括して送るから封しないで持ってこい」と言われたのです. みんなで送るのはいいとしても,「なぜ封をしないのか?」と疑問がありました. 「封」をせずに持っていくと,店長が「ちゃんと書いてあるか確かめるからな」と言いました.

〜【きむらの心】〜
「ムトミシって風通しがいい会社とか言ってるのにフィルターかかっているぞ」
〜【きむらの心】〜

 その「フィルター」にあっさり引っかかり,「誤字を2重線で消していた」のがばれました. 店長にめちゃめちゃ怒鳴られました.
「お前仕事いいからもう一度手紙書け」
「一枚しか書いてないなんて信じられないやつだな」と怒鳴られる.

「感謝の気持ち」が僕に便箋2枚の手紙を書かせました.

【011】《会社内部》

また失敗を思い出した. みなさんは金融の給料「高い」と言いますが,高くありません. 入社一ヶ月目の給料は「12万」ですよ. やってられないですよね

 本当に12万円では生活できなかったので,どうにかお金を作ることを考えた. その時,良いタイミングで「定期券のお金」を支給してくれることになった. 定期買わないで自転車で通うことが頭をよぎる. しかし,買った証拠として「定期のコピー」を取らなければならないらしい.

 そこで,「定期のコピー」を取った次の日に「払い戻し」をしました. そのおかげで「2万円」を手に入れました.


 それから数日後,チェックの厳しい店長から定期券について質問された.
店長「きむら定期あるか?」
きむ「ありますよ」とおどおど応える
店長「見せてみろ」
きむ「すみません,売ってしまいました」

店長は大激怒です

店長「お前仕事いいから定期券買って来い」
きむ「でも,お金が無いんです」
店長「親から借りてでも買って来い」

 やはり「取り立て屋」の会社ですね. それから,母親に電話をかけ,自転車で帰り,また戻ってくるというなんとも疲れる一日でした.

 ちなみに, 入社当時のその店長は,「女性店長が失踪したぐらいの店」ですから, 立て直しにきた店長で,めちゃめちゃ怖いのです.

【012】《取り立て(実戦)》

そろそろ取り立て屋の話に入らないといけないかなぁ 優秀であったかはともかく、同期の中で一番に集金許可を貰った。 だからどうだって話でもないけれど、みんなより多く面白い体験が出来るということですね。
 集金の中でも一番嫌だったのが「尾行」です。 刑事でもないのに尾行するのです. なぜ尾行をするかというと、私の支店の客層はサラリーマンが少なく,現場作業員ばかりなのです。

これが、取り立てにどう関係あるかわかりますか?
取り立て行為は午前8時〜午後9時までしか行ってはいけません。

「現場作業員」の特徴
1.仕事が朝6時ぐらいから始まる。
2.会社には寄らない、直行直帰と言われるやつです。
3.現場が頻繁に変わる。
4.さらに、怖い人が多い。

 管理の中で最も扱いづらい部類です。 会社に電話かけても 「伝言できるかな〜?」と言われます。 債務者から電話がかかってこなければ何も出来ません。 家に21時以降に帰る人だと家に電話かけても意味がありません。 その場合「尾行」が始まるのです。 「尾行」は禁止されていますけどね. でも、回収しなければいけません. ばれなければ許される. 自分としては本社にばらしてやりたい心境ですが
 「尾行」をするには,現場が始まる時間より早く動かなければなりません. 朝5時半には、標的の債務者の家近くに待機する必要になります. きむらは恐ろしいことに「岩見沢に朝5時半に行け」と言われたことがあります。 それも5回も行きました.
 岩見沢の債務者は道にでて送迎の車を待っていました。 そこから尾行開始です。

 方向は札幌にもどっているじゃありませんか 今まで飛ばしてきた道をまた逆戻りして,また札幌に戻ってきた. でも6時半なので交渉はできません. 8時10分まで待機します.

 8時10分になったら漸く交渉開始した.私がその債務者に話しかけるとさすがに驚いてたな. 仕事中だから長く話もできず、金もなく仕事が終わってからということになりました. その間,他の債務者のところへ集金に行った.
そして,16時ぐらいに現場に戻ってみると仕事終わっているようで,誰もいない. 現場労働員は仕事が終わるのも早い.
「なにやってんのきむらくん!岩見沢へ行ってみて」と軽く言うんですよね. 再び岩見沢へ
家に戻っていない. 夜まで家の前で待機をすることになり,21時まで待っていた。 21時で集金は終わりなので,店長に報告すると,店長から「きむらくん明日も岩見沢5時半ね」と言われた。

が〜ん

だいたい今から札幌に帰るのも1時間かかるんだけどなぁ. やってられね〜 と思いつつ「かしこまりました」と応えるムトミシ社員なのでした.

【013】《取り立て(実戦)》


「尾行」第2弾

 前回の尾行はまだいい方です. なぜなら,運転手は債務者本人ではなく,送迎の車に乗っているため,バックミラーを見ないからです. しかし、本人が運転している場合は,大変なことになります. 本人が運転している車を2〜3分尾行したら絶対ばれます. 尾行するのはたいてい現場労働員なので、朝6時ぐらいですし,交通量も少ないのです。

 そのような状況で,尾行を続けたら,前の車はどうするのでしょう?

 債務者は予想通り「信号無視」という行動にでました. 最初の「信号無視」は「黄色から赤に変わって1秒ぐらい」の信号無視です. この場合,尾行を続けて,信号無視するしかないですよね。 きむらが交差点を通過するときには「黄色から赤に変わって3秒ぐらい」になりますよね. さらに,尾行を続けると難易度はあがり,「黄色から赤に変わって3秒ぐらい」の信号無視です. そうすると,私は「赤に変わって5秒後」の信号無視になるのです. それも三車線の道だったりします. 債務者が通過している間に横から車でてきます.

きむらは信号無視を3回目で諦めました.

そのことを店長に連絡すると,「きむらくん情けないね〜」と言われました.

情けなくていいですよね? 格好よくても「事故に遭うか?」「警察に捕まるか?」のどちらかでしょう.
 でもその人の尾行に成功したことがありますよ. 3回目の尾行で捕まえました.そして,回収もしました.

【014】《ムトミシからの得たもの》

 ムトミシで衝撃を受けたのは、上司によって成績のいい支店にもなり、 悪い支店にもなることを知ったことです。

 自分の支店長ではなく、北海道でNo.1の支社長と言われる人です。 その支社長が転勤するところは絶対に全国7支社中1位の業績をあげるのです。 これは吃驚しました。 その人は説得力があり、話が面白く、威厳があるのです。

 業績を上げる支店長のことを考えると「リーダー」や「組織」について考えるようになりました。 ムトミシは朝の儀式の「会長挨拶」からわかるように、会長のワンマン会社です。 ワンマン会社を否定するつもりはありません。 ワンマン会社は良いリーダーであれば、とても業績を伸ばすことができるのです。 会長も商才やリーダーの才能があったため、一代でここまできたはずです。

 組織は軍隊のように統率がとれていた方が良いのではないか? 軍隊の「上司には絶対服従」というところが良いのです。 優秀な上司がいれば、迅速に処理ができるのです。 上司が悪ければ、成績が下がるので、出来の悪い上司は責任とって辞めればいいのです。

 そこでムトミシのすごいところは容赦なく切り捨てるところです。

成績のあげれない上司は降格です。 あっさりと平社員になることもあります。
この何ともサバサバしたところがいいのかな.
ムトミシは成績優秀な会社であるため見習うべきところもあるのでした。

【015】《会社内部》

 もしお金を儲ける会社を作りたいなら,「高利貸し」が良いと思う. 自分のいた支店は,比較的規模が小さく,「小型支店」と呼ばれていた. 分類は「小型」「中型」「大型」「特大」があるので,一番小さな規模の支店でした. これは,債務者に貸し付けている額の総額で決まる. 小型と言っても馬鹿にはできないです. 「13億」ぐらい貸していました. 確か「14億」から「中型支店」にかわるはずです.

なぜ「高利貸し」が良いのかお話ししましょう.

 たとえばティッシュの裏に,「15%〜30%」だったとします. その場合,初めての借りにきた人はほぼ「30%の契約」になります. 従って,金利計算は最高の利率で計算していきたいと思います.

【儲けについて】
消費者金融は一日毎に利息がつきます. ムトミシは最高利率が約28%でした. 日歩(1日の利息)は一万円につき7.5円になります.

たとえば,「50万円貸した場合の利息」
その日に返した場合・・・・50×7.5×0=0  
一日後に返した場合・・・・50×7.5×1=375
二日後に返した場合・・・・50×7.5×2=750

 従って,早く返した方が利用者としては「得」だし, 遅く返してもらった方がムトミシとしては「儲け」となる. そして,消費者金融のお客さんはいつ返却してもいいのです. この辺がクレジットカードと違うところのはずです. 完済させないことがムトミシの利益につながるので「完済させないトーク」をするのです.

【ムトミシの儲けについて】
貸付総額・・・13億(と仮定する)
一日 の利益・・130000×7.5×1 =   975,000
一か月の利益・・130000×7.5×30=29,250,000
約一ヶ月で3000万の利益なんです.

これが「小型支店」の儲けなんです.
「特大」なんていったらどうなるのでしょう. 諸経費(家賃や銀行からの利息など)を差し引いても儲かりますよね


【営業トークについて】
今までの話を聞いてみなさんは「高利貸し」の利率を高いと思うでしょうか? これでも,昔に比べると安くて,昔の利率は「100%」という時代もあったらしい. そんなことをいっても高いと感じるはずなので 説明する場合の方法を話します. 「消費者金融」と言っても「サラ金」イメージですから,みんなのイメージは「といち」です. 「といち」は十日で一割.暴利です.
貸付金額を「10万」で話ことが良いです.

10万の場合.
一日 の利息・・・・・・・・・10×7.5×1 =   75円
一ヶ月(30日計算)の利息・・10×7.5×30=2,250円
一ヶ月で2,250円ですよ
安いイメージじゃないですか? 新聞の広告にはたいてい10万円で説明してます

でも,これを「100万」で話したらどうですか? 一ヶ月の利息が22,500円です. これは高いイメージがつくと思います. 同じ利率の話をしても,相手に与えるイメージは異なります. それを巧みに話すのが営業ですよね

【016】《ムトミシからの得たもの》

ムトミシのいいところは無謀にも新人にいろんな体験させてくれるところでした. 新しい経験は嬉しいことです. その一つが「調停」でした. 初めてでしたが,一人で調停に行かされました.

調停前の準備として,店長に教えてもらったことは「20万円で契約すれ,あとはこの紙に署名もらえ」でした.

え!?


きむ「他に何か言われたらどうするんですか?」
店長「大丈夫だ」

ひぇ〜

調停って調停員を介して話し合うんじゃないの?

裁判所に行くと債務者と調停員が二人いました. 自分が言うことは,2つしかありません.
きむ 「20万円でお願いします」
調停員「ムトミシさんそれでいいんですか? ○○(債務者)さん良かったです」

店長は簡単に契約がまとまるようにしてくれたのがわかった.

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 調停は何をするかというと,もちろん「話し合い」ですが 法律が少しだけ絡んでいるんです.
「貸金業規制法」と「利息制限法」です.
「貸金業規制法」は,利息40%を上限(のはず)

「利息制限法」は,
元本が十万円未満の場合        年二割
元本が十万円以上百万円未満の場合   年一割八分
元本が百万円以上の場合        年一割五分
ムトミシの立場が「貸金業規制法」で 調停  の立場が「利息制限法」です.

 お客さんがムトミシに来店した場合,借りるという弱い立場なのです. 「貸金業規制法」の利率(40%)以内で契約することになります. しかし,「調停」になると,「利息制限法」で再計算することになります.

 もし,利息だけを5年も払っている債務者がいたら,調停をお勧めします. 最初から「利息制限法」に基づいて計算するため,債務者が払いすぎという場合もあるのです. これを「過払い」と言います.
 調停は適当なようです. ムトミシは絶対過払いにならないように操作します. 「過払い」はムトミシから債務者にお金を返却することになるからです. 違法でしょうが,ばれなければ全てが許されるのか.

【017】《取り立て(基本)》

 車の中でバービーボーイズを聞いていたら, その歌詞の中で「かかってもこない電話の受話器をはずす」とあった. この歌詞の意味は、彼が自分の部屋に彼女を連れてきたときに, 「他の女」から電話が掛かってくることを避けるという意味です.

 債務者と取り立て屋の関係も「彼」と「他の女」と同じ状況になります. しつこく電話していると,債務者は電話の受話器をあげておくようになることもあります. つまりずっと「話中」が続くのです.

これを解決する方法知ってます?

「114」に電話するだけですが 「電話が故障か?」「電話中か?」「受話器があがっているだけか?」を判断できます。


ちなみに,
電話の新設・移転・各種注文受付 局番なし 116  
電話の故障 局番なし 113
話し中調べ 局番なし 114
電報の申込み 局番なし 115
電話番号の問い合わせ 局番なし 104


 債務者の場合、故意に受話器をあげている場合がほとんどなので。 N○Tの方が「注意信号」をだしてくれます。 注意信号がうるさいため受話器を置きますから、電話がかかるようになるのです。

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 電話関連をもうひとつ書きます。 聴いた話ですが「104」で「調査」したというのです。 2年勤務した間に3人の店長を経験しました。 入社して2人目の店長が「管理室長」だった人なのです。 その店長が「104調査方法」を自分に教えてくれました。 自分のいた支店は「特別管理支店」だったので「管理(取り立て)の有能な人」が派遣されたみたいです。 「管理室」は「支店」で対処できれなくなった債権を扱うのです。 ムトミシの基準としては、120日以上支払がない債務者を「管理室」に移管します。 他には、「弁護士介入」した場合は、本社に「弁護士班」があり、移管します。

 話は「104調査方法」に戻ります。 「104」に電話した場合、受付の応答パターンは基本的に3つあります。

1.電話番号が登録してあり、公開をしている場合
2.電話番号が登録してあり、秘密にしている場合
3.電話番号が本当にない場合

その店長は、「2」の場合に調査を行うのです。

【1回目】
きむ「札幌市で山田太郎さんお願いします」
受付「山田太郎様はご都合により教えられません」

【2回目】
きむ「札幌市北区で山田太郎さんお願いします」
受付「北区に山田太郎様という方の登録はありません」

【3回目】
きむ「札幌市南区で山田太郎さんお願いします」
受付「南区の山田太郎様はご都合により教えられません」


この意味がわかりますか?

この方法を繰り返して場所を限定していきます。 管理室は恐ろしいですね. 管理室に必要な力は調査力というより、忍耐力かもしれません.
 でも最近、この方法は「104」では使えないと思います。 使えなくさせたのも消費者金融のせいかも,そして, 料金をあげたのも消費者金融だったりして?

【018】《会社内部》

ムトミシ特殊の考えというものがいくつかありました。

ムトミシは「せっかちな人」が優遇される。 どちらかといえば「機敏な人」じゃないの?と思いますが「せっかちな人」です。 さらに、「優秀な人や成績の良い支店を真似る」というのが社訓です。 これはとてもいいことです. 優秀な人の中には、会長が絶対含まれます。 「会長=せっかち」なのです。 会長はせっかちなためか、「貧乏ゆすり」をするのです。 そしたら、ムトミシ社員は「貧乏ゆすり」を「真似る」のです。 一般家庭では、母親が「貧乏ゆすりをやめなさい」と言いますが、 ムトミシでは注意されることは、絶対ありません. 会長に従順な店長などは机がガタガタするぐらいの貧乏ゆすりです。 その店長は「自然に貧乏ゆすりしちゃうんだよ」と言っていました

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「ムトミシは(血液型が)A型の人が適している」

と会長が言われました。
会長の発言は絶対ですから、その通りなんでしょうね. 「A型の人」は上司の命令に文句を言わず、正確に処理するということらしいです。 確かに、自分にはない特徴です。 A型ではない自分としては、「アイデア」と「自然体」が売りですから、上司の意見に納得いかなければ【自然】に態度にでて、反対意見(アイデア)を言う. というなんとも、ムトミシから嫌われる性格なのです。 この性格から【007】で書いた「誓約書の拒否」をしたので上司からすれば, 嫌な部下だったことでしょう.

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ムトミシは「実力主義」と共に、「一番主義」でした。
研修中に「一番になれ」のようなことを何回も言われました。 その影響で、同期達は「一番に店長になる」とか「支社長になってやる」など言うようになりました。 そのときの疑問は一番って「支社長」じゃなくて「会長」じゃないか?ということです。
「会長になってやる」という考えはいけないのでしょう.

【019】《取り立て(基本)》

交渉って一人では難しいです。

テレビなどで、ヤクザはたいてい二人組みですよね。 一人が【血の気の多い若いヤクザ】で,もう一人が【温厚を装った年配のヤクザ】じゃないでしょうか。 交渉においてはこのような二人が必要です。 絶対に一人が「血の気が多い人」でなくてはいけないというわけではありません。

きむらがはじめて集金を任されたとき、「マルクリ」回収をした交渉方法は自然にそんな方法を使っていました。 「マルクリとは集金をする場合、たいていの債務者は30日以上の遅延なのですが, 1ヶ月分の支払いでは、すぐに今月支払日がきてしまいます。 2ヶ月分支払ってもらい,遅滞していない状態にすることを「マルクリ」と言っていました。
自分は、前任者や店長などを利用してました。 ポイントは、「〜さんが言っていた」ということを有効に使うことだけです。

きむ 「××さん(債務者) 本来4万だけど3万払えば2ヶ月分として受け取るよ」
債務者「でもプロ○スにもリッ○にも払わないといけないんですよ」
きむ 「お金ないのわかるから、店長に言ってみるよ」

店長へ電話 たいした話はしない「もうちょっと頑張ってみますか」など
きむ 「今店長に聞いてみたけど、今までに何回も遅れてるから2万円までにしかなりません」
債務者「本当にだめですよ、1万だったらいいよ」
きむ 「××さん(債務者、前任の○○から、今回2ヶ月分支払うからって任されですよ」
債務者「でも他の会社にも支払いがあるんです」
きむ 「前回あなたを信用したために、○○は上司に怒られていたんですよ」
きむ 「○○は あなたは、今回は絶対払ってくれるはずだって言っていましたよ」

日本人は人が言っていたという言葉に弱いから。 たとえば、きむらが考えたことでも「教授が言っていたんだけど」と言えば納得してくれるように そんなことをねちねち言っていたら2万円を貰えました。

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 小型支店などは一人で管理(取り立て)を任されている男性がいます。 女性が店長だと言うと、なめられるので僕の同期は一人二役をやっているようです. その同期が言うには、

さんざん交渉しても払えないという場合は次のようにするようです.
同期(平社員)「どうしても待てないけど、上司に相談してみますね。」
債務者    「お願いします」

電話保留
声を変えて上司役を演じる。
同期(上司役)「いま話きいたけどね、お客さんみんなの言うこと聞くわけにはいかないんだよね」
債務者    「なんとかお願いします。」
同期(上司役)「佐藤(同期の仮名)もね、あなたのことは信用できるって言うから今回だけ1日まってあげるから」
同期(上司役)「佐藤のためにもちゃんと明日までにお金都合してよ」

傍目から見たらあほな行動ですが、そんな涙ぐましい努力をしているのでした.

【020】《会社内部》

サラ金ってヤクザな世界もちょっとある。

 ムトミシの場合、日○のようにお客さんに「腎臓や目玉を売れ」などと言うことはほとんどありません。 でも、日○ぐらいに声を荒げて「丁寧語」を使用するのです。 テンションだけは一緒です。

 社内ではさらに「目玉を売れ」状態の言葉使いです。 自分のいた支店は、管理が悪いので怒られることが日常茶飯事でした。 それも管理担当は自分なので、直撃です。 ムトミシは社員にプレッシャーをかけるために、 ブロック長に一日二回【回収】と【やく(入金約束)】の報告義務がありました。 【回収】も【やく】も他の支店と比較した場合、かなり悪いのです。

【1回目】
きむ 「回収〜万、やく〜万です」
ブロック長 「仕事してんのか おめぇよ〜 このまま終わるわけじゃねぇよな!どうするつもりなんだ!」
きむ 「やくがありますので、目標までの〜万をこれからでなんとかしたい思います。」
ブロック長 「おめぇ 言ったことはちゃんとやれよ ガチャ」


(電話ガチャ切り ムトミシ 常識です)

【2回目】
きむ 「回収〜万、やく〜万です」
ブロック長 「き〜む〜ら〜! おめぇ! さっきなんて言った」
ブロック長 「絶対回収するっていったじゃねぇ〜か」
ブロック長 「仕事できねぇ奴はムトミシには必要ないんだよ」
ブロック長 「あほぉ! 給料泥棒! ガチャ・・・・・・」

(ガチャ切り)

「できるのか?」と質問されたときの回答は「できます」しかありません。 その結果、必然的に「お前は言ったことをやらないのか」となります。 なんともワンパターンの展開です。

「できるのか?」と質問された場合、 「できません」と応えた人は、次の日にやめていることでしょう。

【021】《会社内部》

失踪の多い会社です。

 以前に話したように、入社6ヶ月前に女性店長が失踪した支店に配属になりました。 失踪は当たり前のことです。

なぜ失踪するか?

「辞職願いを受け付けない」&「プレッシャー」からです。
「辞職する」と言った場合、
1.3時間に及ぶ説得。
2.会社を休むものなら、家まで迎えに行く。
そんな会社です。

 私は辞めると言ってから1ヶ月後にちゃんとやめたので,他の人に吃驚されたほどです。 実際、後輩は自分が退職してから、3ヶ月後には失踪したらしい。 そういえば、途中入社の人もそうだったな。 思い出すときりがないですが、自分が辞めることができたのは他の同期を参考にしたからでしょう。 同期が「辞める」と5回言っても辞められなかったのを見てたからです。

 それで、「辞める」発言は社員に相談することはせず、上司に告げるときには「必ず辞める」決意でした。 「辞めた」時の上司が女性店長というのも幸いしました。 後々残っている同期から聞いたのですが, 入社当時の店長(かなり怖い)が「俺が上司だったら絶対辞めさせなかった」と言っていたそうです。

おそろしぃ

【022】《取り立て(基本)》

取り立て行為は支払日前から行なわれている。

ムトミシにはB管と呼ばれる別管理のお客さんがいた。 このB管(べっかん)になる条件は忘れたけど、2週間以上支払が遅れた債務者はB管にしてました。 B管台帳は一般の債務者が「発生(支払日の一日遅れ)」から管理が始まるのに対して、 支払日の4日前から請求を始めるのです。
 ムトミシの支払日の決め方は「25日給料」の場合、3日後の「28日が支払日」になります。 支払日が28日だからと言って、28日じゃないと入金できないのではなく、いつでも支払可能です。 お客さんの立場から言えば、早い方がお徳です。

でも支払日過ぎてないのに電話します。
上手くやらないと怒られることもあります。

きむ「○○さん、前回支払いが2週間も遅れたので今回は今日入金お願いできないでしょうか?」
債務者「まだ支払日過ぎてないよね」
きむ「支払いが遅れると融資ができなくなるので、なるべく遅れないようにお願いします」

債務者は「融資」という言葉に弱い。 「融資」という言葉を使うと俄然入金率が良くなったりする。
相手の心を掴んで管理をするとスムーズにいくらしい

【023】《 ムトミシ営業 》

完済を拒む消費者金融。

取り立てではなく、営業の話で完済の話を書きます。 「完済」というのは完全返済の略でしょうか。 とにかく、お客さんが全額返済することです。 管理の立場で言えば、嬉しい話なのですが、 消費者金融は利息で食べているので、全額返済をされると困ります。 これは金融系の会社では当たり前なのですが、完済させないようにします。 かなり強引に「完済拒否トーク」をします。 たまに完済にきたお客さんが融資を受けて帰っていくことさえあります。 次のように完済を拒みます。 営業担当「金利の高い店に最初に返した方がお徳です」と言うのです。 債務者 「〇〇から借りている額が多いので後で返そうかと思っていました」

こんな話になれば、完済が融資に代わります。
営業担当「ムトミシ一本でまとめれば、お徳ですよ」

しかし、ムトミシは金利が一番低くはなかったので、めちゃくちゃな影響トークが炸裂します。 たまに、女性社員は「おねが〜い」とかわいい声をだし、おねだり状態です。

【024】《 ムトミシからの得たもの 》

クレームについて

クレームには効果的な方法がある。 取り立てといえば、債務者の家の電話は朝から晩までリンリン鳴っています。 しかし、本人がいないと言っている実家にかけるのはまずいらしい。

このような場合,家族の人はどこにクレームを言えばいいのか?
1.支店 ・・ 意味なし
2.支社 ・・ 価値なし
3.本社 ・・ ちょっと意味あり そんなところでしょう

正解は「4.財務局にクレームを入れる」です
本社直々に請求禁止がきます。
極めて稀に債務者として「財務局の人」がいます。 管理はかなり甘いです。 そんな世界です。

きむらは退職した経験があるためか、辞める時どうすればいいか相談されることがあるのです。 ある人が「有給休暇を使いたい」と言うと,「駄目だと言われた」ようです。

きむ 「誰に言ったの?」
その人「直属の上司だよ」

一番意味のないところに抗議してるいるなぁ。

きむ「区役所とかなんかに相談センターあるんじゃないの」
きむ「労働基準監督署に聞いたら・・・・って、一番上の上司にと言えば?」


数日後、有給休暇取れたからもう会社行かないと言っていた. そんなもんです。

【025】《 取り立て(実戦) 》

先程,母親にHPでサラ金体験記なるものをかいていることを話した.
母親「一番印象的な話はパトカーの話だね」
きむ「パトカー?」

すっかり忘れていた.
 あれは北区で集金をしていたときのことです. 集金の鉄則は,いきなりチャイムを鳴らさないことです. 最初はポストに耳をあてて,部屋の物音を30秒ぐらい聞くことです. つまり債務者が家にいるか確認します. 物音がした場合は,ノックをし続ける効果もありますし,待ち伏せする意味もあります. そのパトカー事件のあった日は,ポストに耳を当てなくとも部屋から物音がするではありませんか. これは簡単に回収できるなと思いながら, 部屋をノックすると女の人がドアを開けずに「はい?」と言いました.

きむ「○○さんですか?」
女 「いえ違います」 #なに?本人以外だれがいるんだ?
きむ「○○さんの家ですよね.」
女 「そうですよ」
きむ「じゃああなたは誰ですか?」
女 「そういうあなたは誰ですか?」

そんな会話が続きます. 「第3者への社名開示」は許されていませんので,他人と言われるとつらいです.
きむ「○○さんに用事あるんですけどね.あなたはだれですか?」
女 「妹です」
きむ「いつ頃帰るのですか?」
女 「わからないな〜夜には戻ると言っていたけど」
きむ「そうですかわかりました」

一時退却. 上司に報告 きむ「妹と名乗る人がいるんですよ」
上司「そんなの嘘に決まってる がんがん行け!」


きむら再チャレンジ きむ「○○さ 本人でしょ!」
女 「あんた一体なんなのさ!」
きむ「○○さんにお金の件で話あるんですよ.」
女 「妹だからわかんないよ.」
きむ「本当ですか?一回でてきてくださいよ.」
女 「あんたしつこいねぇ警察呼ぶよ」

まじ?再度撤退. 上司に報告 きむ「警察呼ぶっていってますけど」
上司「大丈夫だ.がんがん行け!」

きむ「警察でもなんでも呼んでいいからでてきてよ」
女 「本当に呼ぶよ」

10分後,サイレンの音が近づいてくる. パトカー到着. 3台もある.
 初めて警察に事情聴取をされた. 身分証明書みせて,理由話す. 債務者の方にも警察事情聴取してる.

さらに10分後

 警察が優しく話しかけてきた.
警察「きむらさんあなたの仕事もわかるけど今日は帰りなさい」
きむ「本人なんですか?」
警察「まあ今日のところは,ね.」

話ずらしてるよ. 優しすぎる.やっぱ本人だったのか.
上司に報告

上司「本当に警察きたんだな」
きむ「本人っぽいのですけどね」
上司「ああ本人みたいだな.でも今日はいいよ」
上司にも警察から電話がいっていたようです. あっさり撤退命令.
本人なのにパトカー呼ぶなよ.
債務者は一般男性より「いかれた女性」が怖いっす. おそろしい女でした. 例えるなら「ミザリー」のような女だな.

【026】《 取り立て(実戦)》

集金パート2
先生と話していて思いだした話
先生「ムトミシでの経験に比べれば大したことないだろ」
きむ「そうですね」
先生「そうえいば日本刀の話もあったよな」

この話もすっかり忘れてました.

本人が行方不明の場合は,実家に本人がいないか?確認がてら集金にいくことがあります. そこは母親だけが住んでいるとのことでした. 債務者の実家についた時刻は19時を過ぎており,家の明かりがついていて,誰かがいることはわかった. 時間も遅いし,中に人がいることはわかるので,すぐにノックをしてみるが,反応がない.
電気ついてるんだからでて来てよと思いつつノックをし続ける. お母さんらしき人がでてきた.

母親「誰?」 ※声からして70歳ぐらい
きむ「○○さんここに戻ってきてますか?」

反応がない
しばらくして戸が10センチほど開いた.

その隙間から「刃物」スウーッと伸びてくる.

殺気を感じてか,ちょっと後ろに下がってました. ひぇ〜 包丁にしては長すぎる! 日本刀だぁ
一目散で逃げました.

【027】《 ・・・ 》


サラ金とはあまり関係ない話

人を判断する方法は「取り立て」を行う中で学んだことが多い. でも,職業的に人をみる部分が違うんだなぁと思わされたことがありました. きむらは草野球チームに所属しています. そのチームには悪い方の意味で有名な○○さんがいます. いつもチームの話は○○さんの話で持ちきです. ある方(先生)が 「○○さんのお母さんは息子を認めない人だったんだな だいたいどんなお母さんが想像がつくよ」と言いました. 先生だけあって,家庭訪問や参観日などで母親と出会う機会があるそうです. そのとき「この親にしてこの子あり」という法則を見つけていくようです.

 こう考えると,職業柄人をみるポイントは全く違うんだろうなぁと思うのでした.
職業柄特有の人の見分け方というのは面白いかもね.

【028】《 会社内部 》

社内はプレッシャーの嵐だ.

上になればなるほど大変な会社だけど,下だってつらいものはつらい. きむらの支店は管理が悪い店だったけど,この原因に地域性がある. 従って,きむらのいた支店の隣の北○○条支店も管理が悪くて有名だった. さらに,その店は古くからあるため規模も大きかった.

そこに同期の人が赴任しました.

同期の中では仲が良かったので,支店が近いのもあって2人で2〜3回飲みに行ったことがある. 話す内容は管理のことで,つらい話を語ったりしていました.

そんなことを話していたにも関わらず事件は発生しました.

その同期が「立て替え」をしていたというのです. 「立て替え」とは自分が立て替えて,債務者が入金したようにみせることです. 当たり前に,禁止されている行為です. 自腹切ってまで成績を上げようと思ったことはないので,わからない感覚でした. それも立て替え総額は40万〜50万ということです. これだけ立て替えれば,成績はかなり良くなるのです. きむらはいつも2万円を支払ってもらうことに全力を注いでいました. それもこの同期は赴任して事件が発覚するまで半年ぐらいだったと思います. その同期はムトミシのマインドコントロールにはまっていましたが, トークはあまり上手くないためか,会社からの評価があまり高くないようでした. 成績が上がればみんなが認めてくれると思ったのでしょうね.

プレッシャーがそうさせたのじゃないでしょうか. 事実,社内のプレッシャーのかけ方は尋常ではないからなぁ.

【029】《 取り立て(実戦)》

りっとる様の御指摘を受け、サボっていたなぁ〜と反省。
以前、警察の件を書きましたが, そう言えば、警察に関することまだありました。

 きむらの得意技は母親落でした. 通称、尊属落しです.
ある債務者が延滞していて,その債務者は未成年でした. 未成年はすぐに失踪する傾向にあります. それで母親になんとか払ってもらいました. 何回か入金してもらって母親と仲がよくなっているのですが, さすがに、5〜6件もサラ金から取り立てがくると支払いきれなくなります. 母親が払う義務はないのですから、払わなくなります. そうすると、本当に息子(債務者)は自宅に戻ってきてないのか? 本人請求が基本ですから、

店長は「きむらくん、確かめてきて」

確かめに行って、簡単に会えるなら苦労はしない. 結局,会えずに張りこむことになる.
債務者の家の近くで3時間ぐらい車に乗っていると、パトカーが近づいてきた. やはり俺だよな.また事情聴取だよ.仕方なくその場を撤退することになった. その次の日、母親に「息子さん戻ってきました?」と世間話を始めた.

母親「きむらさん、そういえば昨日ずっと張りこんでいた業者がいたみたい.警察が家にきたのよ」
きむ「そうですかぁ、他の業者はそんなことするんですねぇ〜」

と言っている自分がいた.

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